「借金の踏み倒しができたらいいのに…」
「合法的に返済せずに済む方法はある?」
借金返済の目途が立たない、返済で生活が苦しいなどの理由で、上記のように考える方も少なくないでしょう。
踏み倒しはリスクの高い行為ですが、債務整理をすれば合法的に返済義務を免除される可能性があります。
本記事では、借金踏み倒しのリスクや、踏み倒さずに借金問題を解決する方法を解説します。
借金免除の相談先も紹介しているため、現在抱えている借金を円満に解決したいと考えいている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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【結論】借金の踏み倒しはリスクの高い危険な行為
借金の踏み倒しは、返済期日を過ぎて督促をされても対応せず、自宅や職場から逃げて返済しないことを指します。借金の踏み倒しができれば、借金そのものや利息のほか、遅延損害金も支払わなくて済むでしょう。
しかし、お金を貸している債権者が踏み倒しを容認するケースは稀であり、基本的には財産や給料の差し押さえで借金を回収します。借金の踏み倒しは困難であり、リスクが大きいことを理解しておきましょう。
借金踏み倒しのリスク
借金の踏み倒しをすると、債権者から電話や郵送で取り立てを受けます。
ほかにも遅延損害金の発生や、個人信用情報機関に影響を及ぼすなどのリスクがあるため、注意が必要です。次に、借金踏み倒しの主なリスクを紹介します。
遅延損害金が発生
借金の返済予定日から1日遅れると、遅延損害金が発生します。
遅延損害金は、借金の返済予定日を過ぎたことに対する損害賠償であり、滞納した金額に対して債権者ごとに決めた利率で計算されます。
損害金の遅延損害金の計算方法は、支払いが遅れている金額×遅延損害金利率÷365(日)×延滞日数であり、利息よりも高い利率で設定されていることが一般的です。
上限が20%で、多くの消費者金融では年率約20%と定めています。
借金の返済が1日遅れるごとに支払い総額が増えるため、返済が遅れないように注意が必要です。
返済するまで続く取り立て
借金を滞納すると、債権者は返済を求める取り立てをおこないます。
借金の返済をおこなわず滞納していると、数日~1週間で督促状が郵送され、催促の連絡が頻繁にかかってくるケースも珍しくありません。借金を返済せず数か月経つと、元金や利息に加え遅延損害金も請求されます。
さらに債権者からの督促が原因で、家族や友人、知人に借金をしていることが知られる可能性も高いでしょう。
信用情報機関への事故情報の登録
借金の返済予定日から2か月以上滞納していると、消費者金融業者やクレジットカード会社が加盟している個人信用情報機関(いわゆるブラックリスト)に、借金の返済滞納の情報が記録されます。
個人信用情報機関は、株式会社日本個人信用情報機構(JICC)、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報機関センター(KSC)などがあります。
銀行やクレジットカード会社、消費者金融は上記のいずれかに加盟しており、個人信用情報機関に記録された借金の返済滞納の情報をすぐに確認が可能です。
そのため、ブラックリストに載ってしまうと、ほかの業者からの借り入れができない、クレジットカードの利用や申し込み、スマートフォンの分割購入ができないなどの影響が出ます。
財産の差し押さえ
借金を長期間滞納し続けると、法的措置を取られ、返済期日から最短3か月で財産を差し押さえられる可能性があります。
差し押えがおこなわれる前には、債権者から裁判を起こされたことを知らせる「訴状」や、「支払督促」の通知が裁判所から届くため次のような対応が必要です。
・訴状:裁判所へ出頭
・支払督促:借金を期限までに一括で支払うor内容に異議があれば異議申し立てをおこなう
何も対応せずにいると債権者の要求が認められ、車や住宅、給料などの財産が差し押さえられます。
しかし、訴状や支払督促が届いても、手順を踏んで債権者と交渉すれば、和解や示談で解決できるケースもあるため、早めに弁護士に相談しましょう。
保証人が借金の返済義務を負う
借金を踏み倒すと、連帯保証人や保証人に返済義務がうつるため注意が必要です。
とくに、連帯保証人は借金をした本人が財産を持っていても、債権者からの請求に応じる必要があり、債務者に代わり財産を差し押さえられるケースもあります。
また、連帯保証人が本人に代わり借金を建て替えたとしても、後にお金を返却するように請求を受ける可能性もあります。
上記のような状況で連帯保証人や保証人に迷惑をかければ、人間関係や信頼関係に大きな悪影響を及ぼすでしょう。
しかし、任意整理を利用すれば、保証人や連帯保証人がついた借金を除外して手続きが可能なため、複数の借金に困っている方はぜひ検討してみてください。
合法的に借金の返済義務を免除する方法
借金は合法的に免除されることもあるため、踏み倒しをする前に自身の状況を確認しましょう。
借金には時効があり、一定期間経過すれば免除されます。また自己破産で免除をする方法も有効です。借金を踏み倒す方法ではなく、合法的に免除する方法を紹介します。
時効の援用
借金の踏み倒しはせず、合法的に返済義務を免除するためには、時効を援用する方法が挙げられます。
時効の援用は、次の条件により5年または10年経過すると時効が成立します。
- 債権者がその権利を行使できることを知った時から5年
- 債権者がその権利を行使することができる時から10年
消費者金融や銀行などからの借金は5年ですが、信用組合や信用金庫、日本学生支援機構などの団体から借金をした場合は、時効が10年になることもあります。
どのような目的で貸付をおこなう組織なのか、債権者は誰なのかによって時効成立までの期間が異なるため、弁護士や司法書士に相談や確認をしましょう。
自己破産
自己破産は裁判所に申し立てをして借金を全額免除する方法です。自己破産の手続きをおこなうと車や住宅などの財産はすべて回収され、売却で得たお金を債権者に支払わなければなりません。
しかし、自己破産は借金の減額には効果的です。自身の収入では借金を返済できない方は、自己破産で借金がない状態にし、生活を立て直す方法も検討しましょう。
借金踏み倒しの3つの注意点
借金を返済しなくてもよい方法として、時効の援用や自己破産などが挙げられます。
しかし、手続きをせずに借金の踏み倒しをしようと考える方もいるでしょう。引っ越しや夜逃げ、結婚や養子縁組で苗字を変えても借金の踏み倒しはできません。
借金の踏み倒しを考えている方が理解すべきこと、注意点もあわせて紹介します。
引っ越し・夜逃げをしても裁判は起こせる
引っ越しや夜逃げをしても、債権者は債務者の住民票を確認できるため、住所を特定して督促や裁判をおこされる可能性が高いでしょう。
「第三者が住民票を確認するのは不可能」と思うかもしれませんが、債権者が借金の返済のために債務者の住民票を請求することは正当な理由と判断され可能になります。
また、住民票を移動させずに夜逃げをしても、裁判所の掲示板に明示して訴訟が届いたと判断する「公示送達」と呼ばれる制度で裁判を起こせます。
このように、引越し・夜逃げをしても債権者が債務者に対して訴訟をおこす手段はあるため、完全に借金を踏み倒すことは現実的に不可能です。
名字を変更しても情報は追跡される
結婚や養子縁組で苗字を変更しても、債権者は戸籍標本を確認できるため、借金の踏み倒しはできません。苗字を変更しても、戸籍謄本を確認すれば同一人物かどうかがわかります。
また戸籍附票や住民票の閲覧によって苗字や住所などの情報が追跡されます。ほかにも、個人信用情報機関の情報を確認すれば苗字を変えたことがすぐ発覚する場合もあるため、注意が必要です。
クレジットカードの利用ができなくなる
借金の踏み倒しをすると、クレジットカードを利用できません。借金を全額返済するまで再度クレジットカードの申し込みもできないため、注意が必要です。
なお債務整理をすると5年~10年間はクレジットカードを利用できませんが、記録が削除されるとクレジットカードの申し込みや利用ができます。
税金や奨学金は?借金を踏み倒しができない支払いについて
合法的に借金を免除したり、借金を踏み倒したりした場合でも、支払い義務が残るお金があります。
次項から具体的に、借金の踏み倒しが不可能な支払いについて見ていきましょう。
税金・保険料などの踏み倒し
税金や健康保険料などの延滞は、裁判所の許可なく差し押さえできる行政処分の対象です。
差し押さえまでの期間は国税で最短1か月程度、地方税で最短2か月といわれています。
それぞれの支払いに時効はあるものの、平穏に時効成立を迎えることはできないでしょう。
慰謝料・養育費などの踏み倒し
慰謝料は相手の精神的苦痛に対して支払う金銭です。慰謝料は差し押さえの強制執行が可能であり、踏み倒しはできません。
また、養育費は子供が未成熟子が社会的に自立するまでに必要とする費用であり、親は子供を扶養、援助する義務があります。
自己破産をした場合でも親の義務は免除されないため、養育費の支払いは免れないと理解しておきましょう。
示談の際に公正証書を作成していて支払いを滞納すると、給与を差押えられる可能性があるため注意が必要です。
奨学金の踏み倒し
奨学金は独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)や民間団体などから借り入れる資金であり、借金と変わりありません。
そのため、踏み倒すと裁判所をとおして差し押さえの手続きを取られる可能性が高いでしょう。
滞納をすればブラックリストに事故情報が登録され、ほかの金融機関からの借入やクレジットカードの新規作成などもできなくなります。
病気や災害などで経済的に返済が困難な場合は、減額返還制度や返還期限猶予制度などが利用できる可能性があります。
差し押さえをされないためにも、返済が難しい時には上記のような対応を早めに検討しましょう。
宿泊費・飲食店のキャンセル料の踏み倒し
宿泊施設や飲食店の予約を直前でキャンセルした場合、多くはキャンセル料が発生します。
キャンセル料の金額は、お店やキャンセルしたタイミングによって異なりますが、予約時の利用料金のおよそ50〜100%が一般的です。
利用していないのにお金を払うのはもったいないと感じる方もいるかもしれませんが、弁護士や裁判所をとおして督促される可能性もゼロではありません。
最悪の場合、強制執行により財産を差し押さえる可能性もあるでしょう。
ただし、キャンセルで生じる平均的な損害以上のキャンセル料を請求された場合は無効にできる場合があります。
予約した際の利用料金よりも高いキャンセル料を請求された場合や、契約内容と異なる請求があった場合は、消費者センターに相談してみてください。
借金返済が困難なら債務整理を検討してみよう
経済状況により借金の返済困難な場合は、借金の減額や免除ができる債務整理を利用できる可能性があります。
債務整理には、主に次の3つの種類があります。
- 自己破産
- 任意整理
- 個人再生
手続きが面倒そうに感じるかもしれませんが、いずれも弁護士や司法書士に依頼すればスムーズに手続きをおこなえます。
それぞれの内容や、メリット・デメリットについて解説するため、借金を踏み倒さずに合法的に解決したい方は、ぜひチェックしてみてください。
自己破産
自己破産とは、裁判所に申し立てをおこない借金の返済を免除してもらう方法です。
主に、次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
・借金返済が免除される ・督促を止められる ・生活に必要な財産は残せる | ・連帯保証人・保証人に返済義務がうつる ・ほとんどの財産を回収される ・5〜10年間ほどブラックリストに事故登録される ・官報に掲載される ・免責決定を受けるまで一部の職業や資格が制限される ・税金は免除されない |
とくに借金自体をゼロにできる点は、借金の残高が大きく、減額しても返済の目処が立たない方に適しています。
また、督促通知も止められるため、毎日かかってくる電話やハガキによるストレスから解放されるしょう。
ただし、連帯保証人や保証人に返済義務が移ったり、一部を除く財産を回収されたりとデメリットも大きく、気軽には利用できません。
自己破産を検討する際は、メリット・デメリットの両方をよく理解したうえで、弁護士と相談することが大切です。
任意整理
任意整理は、債権者に将来利息や遅延損害金などの免除、減額を交渉をする手続きです。
主なメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット | デメリット |
・将来利息や遅延損害金をカットして毎月の返済額を減らせる ・裁判所を介さずに手軽に手続きができる ・督促を止められる ・交渉する債権者を選べる ・財産を残せる ・ギャンブルや浪費などの債務も対象になる | ・借金の元金は減額できない ・一部の会社は将来利息や遅延損害金のカットが難しい ・取引期間が短いと交渉に応じてもらえない可能性がある ・5〜7年間ほどブラックリストに事故登録される |
任意整理は将来利息や遅延損害金をカットしながら、3〜5年の分割払いに調整できるため、月々の負担を減らせる点が大きなメリットです。
また、交渉する債権者を選択でき、保証人付きの借金を除外すれば保証人に迷惑をかけてしまう心配はありません。
一方で、借金の元金は減額できない点から、借入金額が大きい方はあまりメリットを感じられない可能性があります。
そのため、任意整理は借金の金額が比較的少なく、忙しい合間に手軽に手続きをしたい方に向いているでしょう。
個人再生
個人再生とは、裁判所に再生計画の認可決定をもらい、借金を減額する手続です。主なメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット | デメリット |
・借金を原則5分の1〜10分の1に減額できる ・住宅や車を残せる可能性がある ・ギャンブルや浪費などの債務も対象になる | ・連帯保証人・保証人に返済義務がうつる ・裁判所を介すため手続きが複雑 ・5〜10年間ほどブラックリストに事故登録される ・官報に掲載される |
上記のように、個人再生は、借金を5分の1まで減額したうえで、3〜5年の分割払いで返済できるメリットがあります。
とくに、借金の金額が大きく、将来利息のカットだけでは返済の目処がたたなかった方に適した債務整理です。
また、住宅ローン特則の要件を満たす住宅や、ローンの支払いが終わっている車を残して手続きができます。
一方で、手続きの対象となる債権者は選択できないため、連帯保証人や保証人に返済義務がうつり、迷惑をかけてしまう可能性があります。
とはいえ、財産を残しながら借金を大幅に減らせる点は大きなメリットであるため、借金額が大きい方は弁護士とよく相談して検討しましょう。
借金返済が困難なら弁護士・司法書士に相談しよう
経済的な問題で借金の返済が困難な場合は、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。
弁護士や司法書士は法律のプロであり、先述した債務整理を含む法的な手続きで借金問題の解決に導きます。
弁護士と司法書士の違いは、対応できる手続きの範囲です。債務整理では次のような業務内容の違いがあります。
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任意整理 | すべての手続きに対応 | 1社あたりの元金が140万円以下の場合に対応可能 |
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自己破産 | すべての手続きに対応 | 書類作成のみ |
弁護士は書類作成や代理人として債権者に交渉するなどすべての業務に対応できます。
一方で、司法書士は1社あたり140万円を超える借金や、裁判所への申立て、やりとりは対応できません。
しかし、弁護士よりも司法書士の方が依頼費用を抑えられる傾向があります。
そのため、借金額が多い場合は弁護士へ、費用をできる限り抑えたい場合は司法書士に依頼するとよいでしょう。
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過払い金請求 | 基本報酬なし 過払い報酬 過払い金額の22%※1 |
※1 10万円以下の場合14%+11,000円の計算費用が発生します。
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対象地域 | 全国対応 |
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任意整理 | 着手金 1件11,000円〜※1 基本報酬 1件11,000円~ 減額報酬 減額分の11% |
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借金踏み倒しに関するよくある質問
闇金からの借金や奨学金など、借金の踏み倒しをするとどうなるのか疑問を抱く方も多いでしょう。借金の種類によって、踏み倒しをするリスクや解決方法は異なります。
最後に、借金の踏み倒しに関するよくある質問を紹介します。
闇金からの借金を踏み倒したらどうなる?
闇金は違法な業者であり、借金の返済義務がありません。
ただし反社会勢力が運営していることから、借金の踏み倒しをすると周囲の方に危害を加えられる可能性があります。闇金から借金をした場合には、警察や弁護士に相談することが大切です。
借金踏み倒しができる時効期間はどれくらい?
借金には時効があり、借金や利息の支払期日から5年または10年で消滅します。
ただし、自動的に債務が消滅するわけではなく、債権者に対して消滅時効を意思表示する意思表示をすることが必要です。
具体的には、時効援用通知書を内容証明郵便で債権者に送ります。
十分な知識のないまま自身でおこなうと失敗におわる可能性があるため、弁護士や司法書士に相談しましょう。
借金踏み倒しが成功しないと言われるのはなぜ?
借金の踏み倒しが成功しない理由は、債権者が借金を回収するためにあらゆる手段をとるうえ、債権者にも大きなリスクがあるためです。
例えば、債権者は滞納を続ける債務者に対し、訴訟や財産の差押えをおこない、借金を回収します。
滞納を続けると債務者はブラックリストに事故登録されるため、財産を失ったうえ新たな借入ができなければ生活がより厳しい状況になります。
また、先述した借金の消滅時効も、債権者が債務者へ督促をおこない時効の完成猶予や更新をすれば時効は成立しません。
そもそも、はじめから返済しないつもりで借入をした場合は、詐欺罪になる可能性もあります。借金を返せない場合は早めに弁護士や司法書士に相談しましょう。
まとめ
借金を滞納している場合でも時効は中断されず、一定期間が経過した場合と法定利息以上で金利を支払っている場合にのみ借金の踏み倒しができます。
しかし基本的には債権者が裁判を起こしたり、時効を中断したりなどの方法で対処するため、踏み倒しは困難です。
さらに借金の時効成立のために債権者から連絡が来ても対応しないと、債権者から法的な手段で給料で財産を差し押さえられる可能性もあります。
現在の収入では借金を返済できない場合には、借金の踏み倒し以外の方法で解決を目指しましょう。
※本記事の情報は2023年2月時点のものです。
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