日経平均は7/7現在、2万1,810円(日経先物終値)と高値にありますが、証券株の動きはまちまちです。
一部のネット証券は大きく上昇して新高値になっていますが、旧来型の証券は逆に安値を更新しているものも出始めています。
なぜ旧来型の証券株が上がらないのかという理由と、ネット証券の勝ち組はどこかということを調べて、これからの動きを予想してみました。

目次
旧来型証券は伸び悩み
日経平均は2018年現在、2万円を大きく超えていますが、旧来型証券の営業利益や株価は伸び悩んでいるようです。
その理由は、大手証券の収入源が、M&AやIPOに移ってきているせいです。
現在では手数料収入は全体の収益の3割を切ってきています。
売買代金が上がれば手数料収入が増えるといった構造ではなくなってきているのです。
ネット証券は手数料収入が主で、しかも証券の垣根を越えて、FX、バイナリー・オプション、仮想通貨、商品などあらゆる分野に手を広げる業者が増えています。
このような業態の多角化がネット証券の伸びの原動力になっているようです。
岡三証券グループ(8609)の月足
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一番大きく伸びたのは2012年末政権交代が起きて、アベノミクスが始まった直後で300円付近の株価が1,200円と4倍にもなっています。
まさに株価の予知機能で一気に上昇した形です。
しかしその後は日経平均が大きく上昇したのにも関わらず、岡三証券の業績も頭打ちで、株価も伸び悩みました。
2018年7月時点では明らかに下げトレンドが続いています。
SBIホールディングス(8473)
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アベノミクスが始まった時に、同じように500円 → 2,000円の大幅上昇していますが、2016年からも、1,000円を底に3,000円まで株価が3倍になる上昇を見せています。
2016年からの上昇は事業の多角化と業績の伸びに支えられています。
2016 3月期 2,617億円
2017 3月期 2,619億円
2018 3月期 3,370億円
特に2018年3月期は、売上3,370億円、利益466億円共に過去最高益でした。
SBI証券だけでなく、ネット証券では、仮想通貨取引所コインチェックを買収したマネックスグループ【8698】などが有望でしょう。
もちろんネット証券すべてが有望なわけではなく、安定飛行の松井證券や、苦戦中の楽天証券などさまざまです。
これからの予想は!?
これから夏場に大きく調整することがあれば、証券株も売られて大きな買いチャンスが訪れるでしょう。
その時に、岡三証券のような旧来型証券の大きく売られた底値を拾うか、SBI証券の押し目を拾うかは好みが分かれると思います。
それはその時にまた判断したいと思います。(執筆者:岡 隼人)