
銀行の残高確認も毎月の支払いも、スマホひとつで済ませる暮らしが当たり前になりました。そんな中でふと気になるのが、自分に何かあったとき、家族はそれを見つけられるのかということです。国民生活センターも、スマホが開けず故人の口座や契約をたどれない相談に注意を呼びかけています。元気なうちにできるデジタル終活の始め方を紹介します。
家族がつまずくのは、開かないスマホと紙のない契約
国民生活センターは2024年11月20日、デジタル終活についての注意喚起を公表しました。消費生活センターなどに寄せられた相談には、故人が利用していたネット銀行の手続きをしたくても、スマホが開けず契約先がわからないというものがあります。
同センターは、遺族がパスワードを知らない場合、ロックを解除することは非常に困難だとしています。スマホやパソコンにはネット上の資産を管理するアプリや契約内容の確認メールが集まっているため、開けないと確認そのものが進みません。
もうひとつの壁が、オンラインで申し込む契約です。契約書面が紙ではなくメールなどで届くことがあり、家族が簡単には見つけられない場合があります。
準備の柱は、スマホの開け方と契約先の一覧
つまずく場面ごとに並べると、次のとおりです。

開け方の残し方には、同センターが紹介する工夫があります。名刺大の紙にパスワードなどを書いて修正テープを2~3回重ねて貼り、家族が見つけられる場所に保管しておく方法です。家族は必要なときにコインなどで削って読み取ります。削られた跡に気づいたらすぐにパスワードを変え、そのまま書く代わりに家族にだけわかる合言葉を書く方法もあります。
契約先の一覧も手がかりになります。同センターによると、IDやパスワードがわからなくても、契約先の事業者が特定できれば、家族からの連絡で解約などに応じてもらえるケースが多くみられます。
書き留める先として、エンディングノートの活用も挙げられています。法務省が日本司法書士会連合会と作ったノートは無料で公開されており、携帯電話・パソコンのログイン情報や、銀行・株式などのオンライン口座、有料サービスの契約状況を書く欄があります。
使っていない契約は、アプリを消しても終わらない
一覧を作ると、しばらく使っていない契約が見つかることもあります。国民生活センターは2026年7月の見守り情報で、サブスクは利用しなくても解約しない限り支払いが続き、アプリを削除しただけでは解約にならないと注意を促しています。使わないものは事業者の定めた方法で解約し、クレジットカードなどの明細も毎月確かめておきます。
家族が迷わない手がかりを、元気なうちに
デジタル終活は、スマホの開け方を家族に伝わる形で残し、契約先の一覧を作り、使っていない契約を見直すところから始められます。思い出は残しつつ、家族を困らせる契約は残さないという考え方で、少しずつ進めれば十分です。手続きで困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センターに相談できます。


