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老後資金2000万円問題で本質を見失わない 本当にすべき資産寿命を延ばす3つのこと

シニア 退職金
老後資金2000万円問題で本質を見失わない 本当にすべき資産寿命を延ばす3つのこと

ただいま、金融審議会市場ワーキング・グループの報告書「高齢社会における資産形成・管理」のなかの文言をさまざまな形でとりあげて物議を醸しだしています。

しかし、FPとしては正直、「何をいまさら…」という印象です。

うがった見方をすれば、政治家は政争の具にしているだけ、マスコミは視聴率等のためにとみえてしまって、本質の議論が全く進まないことにあきれてしまいます。

世間の皆様も偏った情報等で踊らされて怒ったり不安になったりするのではなく、いい機会ですので自分自身の現状、将来予測を把握してみましょう

老後2000万円必要問題

資産寿命を延ばすには結局、次の3つしかない

問題の根幹は、「資産寿命をどう延ばすかということになる」と考えます。

年金制度の改革問題も確かに非常に重要ですが、自分達では制度についてどうすることもできませんので、「自助」についてどうするのかを考えるべきでしょう

資産寿命を延ばすには結局、次の3つに集約されます。

(1) 生涯収入を増やす
(2) 生涯支出を減らす
(3) 資産を増やす

それぞれについて具体的な方法はさまざまありますが、どれを選択するかは個々で全然違ってくるはずです。

「モデルケース」や「平均」ということに惑わされないようにしましょう

今回もモデルケースが示されていて、老後期間30年で約2,000万円必要であることが示されていますが、それはあくまでもモデルケースであり、ただの一面を捉えただけに過ぎません。

すべての人が65歳時点で2,000万円持っていないと危ない訳では全くありませんので、そこは勘違いしないようにしてください
 
同じような話でよく平均という言葉も使われますが、こちらも参考になるとは限りませんので注意しましょう。

何にせよ、自分の場合はどうなるのか、どうするのかという視点で考えるようにしてください

「モデルケース」や 「平均」ということに 惑わされない

資産寿命をどう延ばすかはさまざま

上記で資産寿命を延ばすには3つに集約されると述べましたが、「どう延ばすか」はさまざまあることを理解しましょう

今回の物議のなかで「投資」を推奨するような傾向がみられますが、それもさまざまある中のひとつに過ぎません

投資に向かない人やわからない人が安易に手を出しては金融機関のいいカモにされるだけです

統計でも約半数の方が元本割れを起こしている事実をみるとやはり投資は投資ということでしょう

では、具体的にはどんな方法があるのでしょうか?

下記に挙げてみました。

(1) 生涯収入を増やすには

・ 就労期間を延ばす
・ 資格や免許等で手当を増やす(転職をする)
・ 副業や副収入になることをする
・ 専業主婦世帯の場合はパートやアルバイトをする
・ 不労所得を得る手段を検討する
・ 子孫に財産を残さない手段で収入を増やす

(2) 生涯支出を減らすには

・ 家計を見直して生活水準を上げ過ぎないこと
・ 所得控除や税額控除をしっかり活用する
・ 補助金や助成金、給付金を活用する
・ 物価の安い地域や海外に移住する

(3) 資産を増やすには

・ 貯蓄をしっかりおこなう
・ 生命保険を上手に活用する
・ NISAやiDeCoなどの制度を上手に活用する
・ 親等からの贈与・相続財産をうまく活用する
・ さまざまな投資手段を活用する
 
思い当たるだけでもこんな感じのものが浮かんできましたが、ベースは何と言っても「健康であることが必要」と言えます

都度のライフプランシミュレーションで検討して選択することになるのでは?

ライフプラン シミュレーション

上記で具体的な方法を上げましたが、どれを選択するのか、どの程度の金額が必要になるのかは個々の価値観や状況等によることになるでしょう。

また、その価値観や状況は一定ではなく、年齢やライフステージによっても変化しますのでその都度、検討しなければならなくなると考えます

私自身も価値観や状況は変化してきて現在に至っておりますので、それは強く感じます。

そこで、検討の際にやはり役に立つのが「ライフプランシミュレーション」ではないでしょうか。

主には、キャッシュフローシミュレーションになるかと思いますが、さまざまな条件や状況を想定してシミュレーションし、価値判断してみることで具体的な方法の選択や金額が把握できるものと考えます

最後に今回のことで少し不思議なのが、本当に世間の皆様が老後資金準備についての認識がこの程度しかなかったのかということです。

私が接してきた方々は、詳しくは知らなくてもおおまかには把握されていたものと思っています。

もし私の認識が間違っていたとするなら、今回の金融審議会市場ワーキング・グループの報告書の物議をいいきっかけにしていただいて、自分自身の現状把握や将来予測を早めにしていただくことは、「自助」を考える上ではいい機会になると思います。(執筆者:小木曽 浩司)

《小木曽 浩司》
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執筆者:CFP認定者、1級FP技能士 小木曽 浩司 小木曽 浩司

リップ ラボ 代表 1969年生まれ。大学卒業後、新卒で大手住宅メーカーに入社。約10年間、戸建住宅や賃貸住宅の営業に従事。その後、生損保乗合代理店に転職し、生命保険を使った企業の決算対策や退職金準備などを提案・営業する。そして、平成18年(2006年)6月にリップ ラボ(独立系FP事務所 兼 生損保乗合代理店)を開業し、独立する。現在は、生命保険・損害保険・住宅(不動産)・住宅ローンをひとつの窓口で、トータルにご相談に乗らせていただいております。また、専門家のネットワークを構築し、税金や相続、登記などの相談の窓口にもなっております。 <保有資格>:CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザー、ライフ・コンサルタント、損害保険プランナー 寄稿者にメッセージを送る

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