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エアコンが手放せない夏。電気代は「契約、プラン、使い方」の順で見直す

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エアコンが手放せない夏。電気代は「契約、プラン、使い方」の順で見直す
エアコンが手放せない夏。電気代は「契約、プラン、使い方」の順で見直す

エアコンをつけっぱなしにした月の請求書を見て、ため息が出た方も多いのではないでしょうか。ただ、電気代が上がる理由は使いすぎだけではありません。請求額はいくつかの部分でできていて、家計の側から動かせる余地がそれぞれ違います。エアコンを我慢する前に手を付ける順番を、家計目線で整理します。

電気代は「3つの部分」でできている

まず押さえたいのが、毎月の請求額が何でできているかです。資源エネルギー庁の説明では、月々の電気料金は、契約容量で決まる基本料金と、使用電力量に応じて計算する電力量料金に、再生可能エネルギー発電促進賦課金を加えた合計です。

よく耳にする「燃料費調整額」は、この3つと横並びの4つ目ではありません。電力量料金を計算するときに、燃料費の変動に応じて加算あるいは差し引かれる部分です。この区別は、見直しの手をどこに置くかを決めるときに効いてきます。3つの部分は、家計の側から動かせる余地がそれぞれ違うためです。

エアコンが手放せない夏。電気代は「契約、プラン、使い方」の順で見直す

燃料費調整は、全日本平均の輸入燃料価格の変動に応じて、毎月自動的に電気料金の調整が行われる仕組みです。去年と同じ使い方をしていても、燃料価格の上昇は、3~5か月前の貿易統計価格をもとに燃料費調整単価へ反映され、請求額を押し上げることがあります。「そんなに使っていないのに高い」と感じる正体は、たいていここにあります。

なお、大手電力会社が提供する規制料金では、燃料費調整制度の設定が義務づけられていて、燃料価格の上昇分を反映できる範囲に上限が設けられています。反映可能な範囲は基準燃料価格の1.5倍までです。自分の契約がどのプランなのかは、検針票や契約内容の書面で確かめておきましょう。

2026年度の再エネ賦課金は1kWh当たり4.18円

3つ目の再生可能エネルギー発電促進賦課金は、電気を使うすべての人が負担するもので、負担額は電気の使用量に比例します。単価は全国一律になるよう調整され、毎年度、経済産業大臣が決めます。

経済産業省が2026年3月19日に公表した内容によると、2026年度の賦課金単価は1kWh当たり4.18円です。目安として1か月の電力使用量が400kWhの需要家モデルで見ると、負担額は月額1,672円、年額20,064円になります。この400kWhは、総務省家計調査に基づく一般的な世帯の1か月の電力使用量です。2026年度の単価は、2026年5月検針分の電気料金から2027年4月検針分の電気料金まで適用されます。

ここで誤解されやすいのが、誰が再生可能エネルギーの電気を買い取っているのかという点です。買い取っているのは電力会社であって、国ではありません。固定価格買取制度は、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを、国が約束する制度です。集められた賦課金は、電気事業者が買取制度で電気を買い取るための費用に回され、最終的には再生可能エネルギーで電気をつくっている人に届きます。

単価は選べません。だからこそ、賦課金の負担を軽くする道は、使う電力量を減らすことに絞られます。プランを変えて単価が下がるのは電力量料金の側だと分かっていれば、手の打ち方を間違えずに済みます。

急に上がったときに確かめる3つのこと

猛暑の夏は、それまでと同じ暮らしでも請求額が跳ね上がります。ただ、原因を「エアコンの使いすぎ」と決めつける前に、確かめておきたいことが3つあります。

1つ目は、使った電力量そのものです。検針票や電力会社の会員ページには、その期間に使った電力量(kWh)が載っています。前の年の同じ時期と並べてみると、使った量が増えたのか、それとも単価の側が上がったのかが分かれます。

2つ目は、いつ使った分の請求なのかという点です。検針日は月初とはかぎらず、支払い方法によっては、使った月と請求書に載る月がずれて見えることがあります。高いと感じた請求の中身が、実は前の月の猛暑日の分だった、ということも起こります。

3つ目は、契約の中身が今の暮らしに合っているかです。在宅で過ごす時間が増えた、家族が増えた、家電を買い足したといった変化があると、以前に決めた契約容量や料金プランのままでは割高になっていることがあります。ここまで確かめてから、ようやく見直しの話に進みます。

見直しは「契約、プラン、使い方」の順に手を付ける

電気代の見直しには、効きやすい順番があります。契約、料金プラン、使い方の順です。

最初に見るのは契約です。基本料金は契約容量で決まります。ですから、使う量をどれだけ減らしても、契約容量が変わらないかぎりこの部分は動きません。今の容量が暮らしに合っているかどうかは、検針票や契約内容の書面で確かめられます。変更できるかどうかや手続きの方法は、契約している小売電気事業者に確認します。

次が料金プランです。小売電気事業者が提供する料金メニューは非常に多岐にわたり、時間帯によって単価が変わるものなど、選択肢は幅広くあります。日中に在宅している家庭と、夜しか家にいない家庭とでは、同じ使用量でも合うプランが違います。ここで大切なのは、月ごとの使用量と使う時間帯という、自分側のデータを先に用意しておくことです。数か月分の検針票を並べてから比べると、判断がぶれません。

最後が使い方です。順番が最後になるのは、効果が小さいからではありません。契約とプランの見直しが一度動かせば毎月効き続けるのに対し、使い方の工夫は毎日の積み重ねで効いてくるという違いがあるからです。我慢から先に始めると、続かないうえに効きが遅くなります。

使い方の工夫は、効果が確かめられているところから

使い方を見直すときは、効果が数値で示されているものから手を付けます。資源エネルギー庁の省エネポータルサイトには、行動ごとの省エネ効果が載っています。以下の節約額は、資源エネルギー庁サイトの算出根拠に合わせ、電気を1kWh当たり31円(令和4年7月時点の新電力料金目安単価・税込)として換算した目安です。実際の節約額は契約単価などで変わります。

代表的なのが、冷やしすぎを避けることです。外気温度31度のときに、エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27度から1度上げた場合、1日9時間の使用で年間30.24kWhの省エネとなり、約940円の節約になります。

見落としやすいのがフィルターです。フィルターが目詰まりしているエアコン(2.2kW)と、清掃した場合を比べると、年間31.95kWhの省エネで、約990円の節約になります。清掃の目安は月に1回か2回です。手間のわりに効きが分かりやすい部分です。

冷房を必要なときだけつけるという工夫もあります。設定温度28度で1日1時間短縮した場合、年間18.78kWhの省エネで、約580円の節約になります。

温度を動かす以外にも、部屋に入る熱そのものを減らす手があります。レースのカーテンやすだれなどで日差しをカットする、外出時は昼間でもカーテンを閉める、扇風機を併用して風を体にあてる、といった工夫です。室外機の吹出口にものを置くと冷暖房の効果が下がるため、室外機のまわりに物を置かないことも効きます。

我慢は、いちばん最後でいい

電気代が上がる理由は、使いすぎだけではありません。基本料金は契約容量で、電力量料金は単価と燃料価格で、賦課金は全国一律の単価と使用量で決まります。動かせる場所が違う以上、手を付ける順番も決まります。まず契約、次に料金プラン、最後に使い方です。この順で見ていけば、猛暑のなかでエアコンを我慢することは、いちばん最後の選択肢になります。

《編集部》
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