
結婚を機に仕事を辞めるか続けるか迷っていると、「夫の扶養に入る」という言葉をよく耳にします。けれど、健康保険や年金の届出がどう変わるのかは意外と知られていません。扶養に入れるかは、自分の収入の見込みと、配偶者が勤め先の保険に入っているかで分かれます。入籍の前後に、夫婦の働き方を並べてみましょう。
届出の出し先は、配偶者の保険で分かれる
まず配偶者の保険、次に自分の働き方と収入の見込み、最後に届出を出す先の順に確かめると迷いません。

配偶者が自営業の場合、鈴鹿市の案内では、国民健康保険に加入者の扶養という制度はなく、保険料は一人ひとりに算定されます。年金も、20歳以上60歳未満で勤め先の厚生年金に入らなければ第1号被保険者となり、毎月の保険料を納める必要があります。
扶養に入れるかは、これからの年収の見込みで決まる
日本年金機構の案内では、健康保険の被扶養者になるには、原則として国内に住所があり、主に配偶者の収入で暮らしていることが前提です。年間収入は130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)で、同居なら配偶者の収入の半分未満、別居なら配偶者からの仕送り額未満が条件です。半分以上でも、配偶者の年収を上回らず、世帯の生計の中心が配偶者と認められれば被扶養者になることがあります。
年間収入は過去の実績ではなく、扶養に入る時点からの見込みです。令和8年4月1日以降は、給与収入だけなら、労働条件通知書などの契約内容から見込む年間収入で判定できます。ただし、契約期間が1年未満や、シフト制で労働時間が不明確な場合などは使えません。
注意したいのが、自分も働き続ける場合です。収入が基準未満でも、厚生年金保険の加入要件にあてはまる人は勤め先で健康保険と厚生年金に入り、第3号被保険者にはなりません。日本年金機構の案内では、厚生年金の被保険者が51人以上の企業などで週の所定労働時間が20時間以上、学生でなく、雇用期間などの要件も満たせば、パートでも原則加入の対象です。なお、令和8年10月1日には、短時間労働者の社会保険加入における月額8万8,000円以上の賃金要件が撤廃されました(最低賃金の減額特例を受ける一部の人は原則対象外)。令和9年10月からは36人以上の企業などに広がります。
第3号の届出は、配偶者の勤め先を通して出す
国民年金の第3号被保険者は、厚生年金に入っている配偶者に扶養される20歳以上60歳未満の人です。日本年金機構の案内では、保険料は厚生年金の加入者全体で負担するため、個別に納める必要はありません。ただし、国民年金法は第3号被保険者に資格取得の届出を求めており、会社員の配偶者なら、その勤め先を経由して出します。
届出の用紙は、健康保険の被扶養者(異動)届と第3号被保険者関係届が一体です。勤め先が日本年金機構へ出す時期は、事実発生から5日以内とされています。勤め先の健康保険が健康保険組合などなら、日本年金機構へは第3号の届出だけを出し、健康保険の手続きは勤め先に確かめます。
迷ったら、配偶者の勤め先と年金事務所へ
結婚が決まったら、配偶者の保険と自分の収入の見込みを書き出しておくと判断が早くなります。扶養に入るなら、届出を配偶者の勤め先に早めに頼みましょう。分からないときは、勤め先や年金事務所に聞けば安心です。


