
同年代の友人が退職金の話をしていても、自分の会社に制度があるのかは知らない方もいるでしょう。そうなると、退職金のない会社は珍しいのか、どんな会社に多いのかが気になるものです。厚生労働省の就労条件総合調査には、退職給付の制度がある会社の割合が規模ごとに載っています。その読み方と、自分の会社で確かめる手順を紹介します。
就労条件総合調査が示す、制度のある会社の割合
手がかりになるのが、厚生労働省の就労条件総合調査です。退職給付の項目を含む令和5年の調査は、常用労働者30人以上を雇う民営企業から抽出した約6,400社が対象で、令和5年1月1日現在の状況をまとめています。
調査でいう退職給付には、退職時に一括で支給する退職一時金と、退職後に一定期間か生涯にわたって年金で支給する退職年金があります。この調査時点で退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は74.9%でした。制度がある会社の中では、退職一時金制度だけの会社が69.0%を占めています。
会社の規模で開く、制度がある割合の差
規模別に見ると、割合には差があります。企業規模で分けた4つの区分の値は次のとおりです。

規模が大きい区分と小さい区分の間には開きがありますが、最も小さい30~99人の区分でも、制度がある企業が多数を占めています。調査では産業別に見ても割合に違いがあり、規模や業種の傾向だけで自分の会社の有無を決めつけないことが大切です。
自分の会社の退職金は就業規則で確かめる
厚生労働省のモデル就業規則は、退職金制度は設けることが義務づけられたものではないとしつつ、設けたときは対象となる労働者の範囲や支給の要件、額の計算と支払の方法、支払の時期などを就業規則に書く必要があると説明しています。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、労働基準法第89条により就業規則を作り、届け出ることになっています。
確かめる順番は、まず就業規則に退職金の定めがあるかを探し、あれば自分が対象に入るか、計算の方法と支払の時期を読みます。就業規則は配付や掲示、備え付けなどの方法で労働者に周知することになっており(労働基準法第106条)、見当たらないときは勤め先の担当部署に置き場所を尋ねます。
会社の退職金が、中小企業退職金共済制度を通じて用意されていることもあります。昭和34年に中小企業退職金共済法に基づき設けられた中小企業のための国の退職金制度で、会社が掛金を納め、退職した従業員に退職金が直接支払われる仕組みです。
会社の制度のほかに、厚生労働省は個人型確定拠出年金を、公的年金とは別に給付を受けられる私的年金制度の一つとして案内しています。
退職金があるかは、手元の就業規則から
調査からは、退職給付の制度がある会社が多数派である一方、規模の区分によって割合に開きがあることが読み取れます。ただ、自分の会社に制度があるか、対象に入るかは統計の傾向だけでは分かりません。気になったときは就業規則の退職金の定めを開き、対象と支払の時期から確かめておくと、老後の備えを考える足場ができます。


