
久しぶりに実家へ帰って、親の暮らしぶりが以前と違うと感じた方もいるのではないでしょうか。介護保険を使うには要介護認定が要りますが、申請は本人が窓口へ行かなければ始まらない、というものではありません。誰がどこへ出し、結果が届くまでに何が起きるのかを知っておくと、動き出しが早くなります。
実家の片づき方が変わっていたことに気づいた50代
「冷蔵庫を開けたら、同じものが何個も入っていて」。都市部で働く50代の女性は、盆の帰省でひとり暮らしの親の変化に気づきました。転んだ話も聞き、そろそろ介護保険を考えたほうがいいのかもしれないと感じたそうです。ただ、離れて暮らしているため、平日に何度も実家へ戻るのは難しい状況です。
要介護認定の申請は、住んでいる市区町村の窓口に、申請書と被保険者証を出して行います。介護保険法は、指定居宅介護支援事業者、地域密着型介護老人福祉施設または介護保険施設で厚生労働省令で定めるもの、地域包括支援センターに、この申請に関する手続を代わって行わせることができると定めています。本人が窓口へ行けない場合や、家族が離れて暮らしている場合でも、申請そのものは止まりません。
申請の後は、訪問での調査と主治医の意見書が並行する
申請すると、市区町村等の調査員が自宅や施設を訪問し、本人と面接して心身の状況などを調べます。これと並行して、市区町村が主治医に意見を求めます。意見書は家族が病院へ取りに行くものではなく、市区町村から依頼が行く仕組みです。かかりつけの医師がいないときは、市区町村が指定する医師の診断を受けるよう命じられることがあります。
判定は二段構えです。認定調査の結果や主治医意見書の内容に基づくコンピューターによる一次判定があり、その結果や主治医意見書などをもとに、介護認定審査会が二次判定を行います。区分は要支援1と2、要介護1から5までの7段階、それに非該当です。

結果は原則30日以内。遅れるときは理由が通知される
申請に対する処分は、申請のあった日から30日以内に行うと法律で決まっています。ただし、心身の状況の調査に日時を要するといった特別な理由があるときは、30日以内に、あとどのくらいかかるかという見込みの期間とその理由が通知されたうえで延期されます。30日を過ぎても処分がなく、この通知もない場合は、申請が却下されたものとみなすことができるとされています。
もうひとつ押さえておきたいのが、要介護認定は申請のあった日にさかのぼって効力を生じるという定めです。結果が届いた日からの認定ではありません。
迷った時点で地域包括支援センターに相談する
離れて暮らす家族にとって、いちばん時間を取られるのは平日の窓口対応です。申請の手続は代わって行わせることができるので、まず住んでいる市区町村の地域包括支援センターに連絡し、今の状態を伝えるところから始めてください。調査の日程は本人と家族の都合に合わせて調整されます。帰省で気になったことは、記憶が新しいうちにメモにしておくと調査のときに役立ちます。


